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オージュアが誕生して、約10年。
2013年からは、オージュアソムリエ認定制度がスタートし、現在まで、日本全国に2000名を超えるオージュアソムリエが誕生しました。2017年からは、オージュアコンダクターを、各サロンさまにて選定していただき、組織のケアビジョンを描き、生産性向上へと導くリーダーとして、お店のヘアケアの在り方、人材育成、経営的目線による企画立案など、様々な取り組みを実践していただいています。

2019年7月8日にグランキューブ大阪で開催され、全国からたくさんのオージュアコンダクターと、オージュアソムリエが集結しました。

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ヘアケアのスペシャリストである”オージュアソムリエ”として認定を受けた美容師が知識、情報を共有し合う場として開催していた「オージュアソムリエ学会」。
今回はヘアケアのスペシャリストである”オージュアソムリエ”として認定を受けたデザイナーと、全スタッフの接客、施術が高い水準で提供できるように教育する価値創りに取り組むリーダーである”オージュアコンダクター”が、価値を互いに高め合う場として「オージュア学会」を開催。
記念すべき第1回は、成長し続けるための取り組みの共有を中心に、実施致しました。

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美容業界のスペシャリストからコンダクターやソムリエまで – 多角的な視点から課題解決する講演 –

まずは、学会のメインコンテンツである講演の様子をご紹介します。各店舗でご活躍される方々の講演を通して、未来につながるケアの技術・知識・コミュニケーション術を高めていきます。

今回、講演をしてくださったのは、オージュアコンダクターとして、サロン「Euphoria」さまより長谷川渉さま、サロン「Laciel par Noel」さまより橋爪恵さまの計2名。オージュアソムリエとして、「M.SLASH」さまより藤原泰則さま、「VAN COUNCIL」さまより辻本健太朗さま、Chihoさまの計3名。ミルボン研究開発部からは馬場淳史が登壇致しました。

そして、ゲストナビゲーターとして、美容業界に深く携わり、業界内外で広く支持されている、株式会社ノートラックの野嶋朗さまにご登壇いただきました。

株式会社ノートラック 野嶋朗さま

第一部では、株式会社ノーストラック 野嶋朗さまより、コンダクターやソムリエに対する課題を、サードプレイス、フリンジサービスという観点から述べていただきました。
お客さまはメニューや技術、施術だけではなく、お店の印象や雰囲気に対して評価してくださる方が多いそう。
では、場としての価値を提供できるには何をするべきか?それに対して考えていくためのキーワードとして、「サードプレイス」があるそうです。お客さまにとってもう一つの居場所になれるように、お店の在り方や環境、スタッフとのやりとりの場を、コンダクター、ソムリエがどのようにして作っていくべきなのか、その考え方がお店の成長に繋がるヒントになるのだとお話くださいました。

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これからはお客さまが求めている情報と、さらにもう一歩先をいく提案力がプロのパートナーとして求められていく。テクノロジーではなく、人だからこそできる、場としての価値を提供できるサロンがお客さまの満足に繋がると、伝えていただきました。

オージュアコンダクター、オージュアソムリエと二手に分かれて講演

第2部では、オージュアコンダクタークラス、オージュアソムリエクラスと、二手に分かれて講演を行っていただきました。まずはオージュアコンダクタークラスの様子をお届けします。

Euphoria 長谷川渉さま

Euphoria 長谷川渉さまによる講演です。
Euphoriaは東京都心の人気エリアで13店舗展開するサロンさまです。
銀座本店でオージュアコンダクターとして活躍する長谷川さまは、オージュアソムリエ会を立ち上げたきっかけ、Euphoriaが「お客さまのために必要な情報や必要なものをご提案するサロン」へと変化した経緯、活躍をお話いただきました。

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お客さまは「自分に合うもの」「より良いケア方法」を求めてサロンに来店していると感じた長谷川さまは、デザイン提案だけではなく、ケアを提案することを「当たり前化」されています。

以前はケアや店販の話し方がわからないスタッフが多く、ご自身の知識を共有しスタッフの意識を変えたいと思い、オージュアソムリエ会を発足されました。

店販促進の「当たり前化」を行うためには、長谷川さん自ら率先してお客さまに話している姿をスタッフに見せにいく必要があると思われたそうです。お客さまの髪の現状とケアの重要性、自宅でのケアアドバイス、パブリック商品とオージュアの違いを話し、スタッフの見本となったことで、全スタッフの意識がケアに向かったのだとか。その結果、お客さまにオージュア、店販、ケアの話をするスタッフが増えたとのこと。

サロンスタッフ全員を巻き込んでAujua店販風土を確率することに成功された長谷川さまから、「オージュアソムリエ取得はあくまで手段であり、お客さまに必要なケアのアドバイスができるスタッフの育成が重要」という力強いお言葉をいただきました。

「ゴール設定」「目標」「目的」「情報共有」「一人ひとりの役割」を全店舗ができるようにするには、リーダーや副リーダーがスタッフ一人ひとりと連携し、熱意とやる気をスタッフに伝え、全スタッフがお客様に合うものをお伝えできることを目標にして、店舗を超えたスタッフ同士で取り組んだ方が良いとのこと。

コンダクターとは、スタッフを同じ方向に向かわせるために示し続け、みんなに寄り添いサポートする役割を持ちます。お客さまの髪に必要なものをご提案できるサロンであることを、熱意を込めて届けてくださいました。

Laciel par Noel 橋爪恵さま

続いては、Laciel par Noel 橋爪恵さまによる講演です。Noelグループは大阪府堺市で3店舗展開するサロンさまです。
橋爪さまには、「堺で一番、髪をキレイに出来るお店」をコンセプトで活動されている「美髪会」を中心に、実践している取り組みについてお話いただきました。

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信頼できる美容師であり続け、お客さま想いの姿勢が評価に繋がっている橋爪さま。
サロンが抱えていた課題に対し取り組んだのが、ケアリスト制度とオージュアソムリエ取得制度、そして美髪会でした。

ケアリスト時代のご自身の経験から感じた、ケアリストがお客さまをしっかりと理解し、仕事へのモチベーションを保ち、成果を挙げられる環境を作ることの大切さ。これらを活かすためにも、ケアリスト主体の取り組みを実施されています。

今年で3年目となる美髪会は、ケアリスト技術統一と仕上がりの精度を上げるという目的で行なっていたレッスン会が始まりだそうです。
各サロンの副店長をリーダーにすることで、課題であったケアリストへの発信や、店長やオーナーへのスムーズな状況説明が可能となり、さらにその副店長を束ねる美髪会の責任者を1人置くことで、全体の把握と副店長同士のコミュニケーションの把握ができたのだとか。
そこから全店舗に情報が行き届いたケアチームが形になったそうです。

店販を「デザインサポート」とし、仕上がったデザインを次回のご来店までご自宅で再現していただくための「サポートツール」と位置付けていらっしゃいます。売るのではなく、Noelで働くスタッフの分身として商品をお届けするという考え方をお伝えいただきました。

人材教育のために、ケアリストオーディションや美髪会研究会など、技術の統一を目指すことをお伝えいただいたことに加え、「サロンでAujuaを使用することに価値を見出していただくためにはどうするか」を改めて考えることができるきっかけを届けてくださいました。

オージュアソムリエクラスの講演

続いて、オージュアソムリエクラスの講演の様子をお届けします。

M.SLASH 藤原泰則さま

はじめに講話いただきましたのは、東京・神奈川で14店舗をご展開されている大型サロン、M.SLASHさまより、藤原泰則さまです。
M.SLASHさまは、ネイリストとスパニストが在籍するトータルビューティーサロンとして展開されています。

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自分の得意分野であるシャンプーやヘッドスパで、お客さまから多数の指名をいただいた経験から、頭皮ケアを武器にしたオージュアソムリエを目指したことをお話されました。
藤原さまが実施された3つの方法である「反省軸の設定」「話す習慣」「Aujuaの実感の継続」は、お客さまとの関係を築くうえで重要になったのだとか。結果を出すには、次回予約&店販予約の確保はもちろんのこと、徹底的に顧客を分析すること、目標を具体的に「見える化」しイメージする必要があるのだと、具体的な事例をもって説明していただきました。

顧客視点で、自身の成長を見る。視点の転換がポイントとなったそうです。
「お客さまに対する提案を惰性の継続ではなく丁寧にしっかり向き合うこと」をポイントに挙げ、真摯にお話ししてくださいました。

VAN COUNCIL 辻本健太朗さま Chihoさま

続いては、VAN COUNCIL清洲店 辻本健太朗さま、Chihoさまによる講演です。
VAN COUNCIL清洲店は、愛知県名古屋市の郊外にある地域密着型サロンさまです。幅広い年代のお客さまが来店する店舗で、お二人は、オージュアソムリエとして高い成果を出し続けています。
お店で初めてオージュアソムリエを取得し、それ以降取り組む姿勢が激変したお二人。徹底した顧客視点とそれぞれの得意を活かしたアプローチで、お客さまのキレイを叶えます。

VAN COUNCIL 辻本健太朗さまは、ソムリエを取得してから店販の売上が急成長した実績をお持ちです。
どのようなアプローチでこのように売上が築き上げられるのか、辻本さまにプレゼンテーションしていただきました。

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美容業界で接客をしていく中で、お客さまのライフスタイルまで入り込むことが大切だと感じたそうです。スタイリストと意見が相違した経験からさらに知識を深めるために勉強された資料をお見せいただきました。

カウンセリングでいかにライフスタイルを引き出すか。そのために数多く質問する中でも特に「お手入れ方法」「食事」にポイントを置き、お客さまの実際の生活に触れるそうです。
今回はアウトバスの付け方と、お客さまの悩みに沿ったお食事を例に、ソムリエアドバイスとして詳しく解説していただきました。
お客さまの悩みに対して、お食事方法とそれに合わせたAujua製品の提案をされている辻本さま。「Aujua+日々の生活で意識できる知識」をプロとして一つ一つ細かくアドバイスすることなど、ライフスタイルに継続的に取り組むポイントをご紹介いただきました。

続いてはVAN COUNCIL清洲店の店長であるChihoさまはグループ内でギネスとなる売上記録を樹立しています。お客さまのリピート率は新規77%、既存97%、トータル9割以上を超えるという美容師さまです。
いつもと違うサロンにユーザーとして行くと、やりたいスタイルを伝えることの難しさを実感していたChihoさま。子供のころからclearグループのサロンに通っていた経験から、お客さまのなりたいを叶えられる美容師になろうと決意されました。
なりたいを叶えるために最も重要なこととしてカウンセリングを挙げ、「今日の気分」「イメージ像」「服装」「メイク」「お悩み」などの観点から追求していくのだとわかりやすく解説していただきました。

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お客さまの美容に対する意識を確認して、多くの質問やご相談をして掘り下げていき、お客さまの美容スイッチをONにするまで徹底したヒアリングを行うこと。
スパをして硬い地肌から柔らかい地肌へと変わるにはどうするか、洗顔料はどの種類にするか、などカルテに100%記入することでリピートに繋がるのだと、具体的な方法をお伝えしていただきました。

ミルボン研究開発部 馬場淳史

ミルボンからは、馬場淳史が登壇しました。

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馬場からは、オージュアの研究発表についてのご紹介です。日本最先端テクノロジーによる頭皮研究の最新情報、今後のオージュアについての発表を行いました。
技術の進化が止まらないオージュアに、今後も大注目です。

オージュア トークセッション

第三部では、野島さまをナビゲーターに、出演者の皆さまから、自社や自身の取り組みについて、トークセッションが行われました。

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今回は「オージュアを通じた価値の創り方」「オージュアで創る、サロン・オージュアソムリエの価値」のコンセプトで、5つのテーマに沿ってディスカッション形式で行われました。

VAN COUNCIL清洲店 辻本健太朗さま、Chihoさまからのテーマである「SPA祭」とは、某カレーチェーン店のメニューのワクワク感をサロンでも展開できないかと考え、SPA祭として面白いメニューを取り入れられたそうです。
関心を引く企画を考え、常にお客さまに良いメニューを体感してもらう、来るたびにメニューが増えるワクワク感を与えたいと熱心にお話されているところが印象的でした。
お客さまの「見える化」した欲望の観点から、体感することの価値を見出すことを、SPA祭として例を挙げながら大変わかりやすく説明していただきました。

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続いては、Laciel par Noel 橋爪恵さまからのテーマである「ライフイベントニーズ」についてお話いただきました。
スタイルの仕上がりに対して「賞味期限」というものを提案し、次回来店日の目安をお伝えするなどして次回予約の取り組みに力を入れてらっしゃる橋爪さま。ですが、次回予約だけではなく、カウンセリングを通じてお客さまのイベント情報に合わせた提案をされているそうです。
成人式や七五三、入学、卒園、同窓会など、大切なライフイベントに対するお祝い事に対するお客さまの意識を汲まれ、信頼を築かれていらっしゃいます。
橋爪さまには、イベントごとを話してもらえるほど信頼された関係性を築くことの大切さ、信頼してもらった上で期待以上の成果を出すことにケアやデザインに取り組み、それがまた信頼に繋がっていくことをご説明いただきました。お客さまとスタッフの丁寧なコミュニケーションが、信頼関係を生むのですね。

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続いては、Euphoria 長谷川渉さまから「熱量!」というテーマでお話いただきます。
お客さまやスタッフに対する情熱を大切にしているという長谷川さま。
長谷川さまご自身が学ばれたことを早く伝えたいという熱い想いを、お客さまへどうお伝えするかが鍵になるのだそうです。何度も熱意を持ってコミュニケーションを繰り返した結果、お客さま自身が美容に関する知識をつけられ、信頼し合える関係ができたという経験から、学びを共有する誠実さ、提案を躊躇しないことの大切さを知ったのだと教えていただきました。
「情熱を常に大事に考えている」というお言葉をいただき、長谷川さまの熱意が伝わってくる講演でした。

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続いては、M.SLASH 藤原泰則さまから「”不”がチャンス!」というテーマです。
野嶋さまの、「ビジネスは”不”の解決」というお言葉に感銘を受け、ご自身のサロンに「不」がつくものがないか調べられたことが改善に繋がったそうです。
トータルビューティーサロンとして展開されているM.SLASHさまは、ネイルのお客さまが非常に多いことから、ネイルのお客さまをヘアに繋げられないか考えられました。結果、ネイルブースでカウンセリングを行い、髪についてお話しするなどコンタクトを取ることで、ヘアのお客さまに繋がったそうです。ご提案を続けることでAujuaの価値を広げることにも繋がったと、解説していただきました。

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最後に、皆さまにコメントをいただきディスカッションは終了いたしました。

さらなる高みを目指して

お客さまにAujuaを知っていただくためにはどうするべきか、真摯に考えたオージュアコンダクターやオージュアソムリエの、日頃の経験から得た貴重な知識をお伺いできる学会でした。

今回の学会は明日から取り組めるヒントやアドバイスが得られる、とても濃密な講演でした。考え方の鍵、コミュニケーションの在り方、信頼関係の築き方が深掘りされた有意義な時間は、オージュアコンダクターやオージュアソムリエの方に必ず役立つでしょう。

スタッフを牽引していく存在のオージュアコンダクター、そしてオージュアソムリエ。
そんな髪のスペシャリストは、さらなる自分自身のスキル向上を目指し常に学ばれていました。その姿勢は、これからのAujuaをより輝かしい存在へと変えていくはずです。

Writer aujua