女性の薄毛化はなぜ起きる？薄毛化と女性ホルモンの関係を遺伝子レベルで検証
2015.9.25 Fri研究・開発
年齢に伴って進行する薄毛化の原因、ご存知ですか？
男性の薄毛のメカニズムは、男性ホルモンとの関係などの研究が地道に行われてきていて、少しずつ解明されつつあります。一方で、女性の薄毛化に関する研究はあまり進められていなかった為、女性の薄毛化のメカニズムはあまり明確に分かっていませんでした。
これまで女性の薄毛に関しては、女性ホルモンである「エストラジオール」が40代以降に減少してしまうということが言われていた為、薄毛化となんらかの関係があると考えられていましたが、その詳細と関連性は分かっていなかったのです。
そこで、ミルボンでは、島根大学と共同で女性の薄毛化と「エストラジオール」の関係を遺伝子レベルで調べました。
今回は、エストラジオールと薄毛化の関連性に関する調査結果を踏まえてお話したいと思います。
毛髪の成長を促進させるメカニズム
今回の実験で検証したのがエストラジオールと毛髪の成長に関係する遺伝子との関係です。様々な遺伝子について調べたところVEGF-Aという遺伝子の発現量がエストラジオールによって変化することが分かりました。
２つの関係性を検証するために行った実験がこちらです。
〇毛包を構成する細胞の一種である毛乳頭細胞と外毛根鞘細胞にエストラジオールを添加し、遺伝子の発現量の変化を調査
これらの実験から、「エストラジオール」は「VEGF-A」の発現量に影響を与えるということが確認されました。
VEGF-Aには、血管の細胞増殖を活性化して、毛細血管網を発達させる働きがあります。エストラジオールの量が低下するとVEGF-Aの発現量が低下するので、毛包周辺の毛細血管網が十分に発達できなくなってしまいます。すると、髪の成長に必要な栄養が不足してしまうので、薄毛につながると今のところ考えられています。
さいごに
いかがでしたか？研究シリーズも第三段になりました。女性の薄毛のメカニズムって、あまり知られていなかったのですね。髪の毛は、知っているようで知らないことが多い世界です。今後も、色々と皆さまのニーズに応えられるように研究を進め、研究結果を継続的に配信していきたいと思います。
