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「白髪が染まりにくい」というのは美容業界でも共通認識だったのですが、実際、白髪が染まりにくい理由は解明されていませんでした。黒髪・白髪に関する更なる研究が望まれている状況に対してミルボンは、研究を着手し、様々な違いを明らかにしてきました。
今回は、白髪と黒髪に関する違いについてお話していきます。

−ミルボンの研究でわかった2つのこと

ミルボンが行ってきた研究で明らかになったことは
白髪・黒髪の⑴脂質量の違い ⑵金属量の違いの2つです。順に説明していきます。

⑴黒髪・白髪に含まれる脂質量の違い

最初に毛髪内の仕組みについて少しご説明すると、毛髪内の脂質には様々な種類の化合物が含まれており、その成分の組成量の違いが毛髪のツヤを始めとする様々な部分に影響を与えると言われています。今回ミルボンが着目した、黒髪と白髪に含まれる脂質量の違いも、今まで正確に明かされていなかった知見の一つです。

この、毛髪内の脂質成分に関しての報告は過去にいくつかあるのですが、それらの研究では、白髪・黒髪ともに不特定多数の人の髪が混ざり合ったものが研究対象とされ 、大きく違いを捉えた報告しかありませんでした。そこで、ミルボンでは世界で初めて、日本人女性の「同一人物から採取した髪」を黒髪・白髪に一本一本分別し、その組成の違いに迫る研究を行いました。

 

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−明らかになった違い

今回の分析によって明らかにされたのは白髪の脂質の総量が、黒髪に比べて少なくなっているということです。成分別に見ると、スクワレンという成分が顕著に少なくなっていることも分かりました。

 

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⑵黒髪・白髪の金属量の違い

2つ目にご説明する研究で明らかになった白髪・黒髪の違いは、金属量に関するデータです。毛髪内の様々な種類の金属は、ヘアカラー剤を使用したときの発色反応や脱色反応を助ける役割があります。金属に関する報告も過去にいくつか行われていますが、脂質量と同じように、同一人物に関しての詳細な研究報告はされていないのが現状でした。

日本人女性の黒髪・白髪の金属量の研究を行った際も、一本一本白髪と黒髪に分け、ICP-OESと呼ばれる金属元素を定量分析することが可能な装置で実験を行いました。

-明らかになった違い
ICP-OESによる定量分析の結果、日本人女性の白髪は、金属量が黒髪に比べて少ないことがわかりました。以下の画像は、カルシウムの例です。

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先述したように、白髪・黒髪に含まれている金属量の違いというのは、ヘアカラー剤の発色に大きく影響するといわれています。

白髪・黒髪の金属量の違いが明らかになったということは、今後のヘアカラー剤の開発にとって非常に大きな発見になります。

おわりに

研究によって、どんどん明るい未来が切り拓かれていくことに、期待が高まりますね。今後も、髪に関する知識や研究の成果を配信していきますので、どうぞ、お楽しみにお待ち下さい。

Writer aujua