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カウンセリングから毛髪診断、サロンケア、そしてホームケアに至るまでの一連のサイクル、システムヘアケアプログラムを通して、日本女性の髪を美しくするお手伝いをしているオージュア。そのオージュアから新たに、根元の立ち上がりや髪のシルエットの変化を感じ始めた方へ向けて、エクイアルライン(EQUIAL)が誕生しました。

今回は、開発メンバーの一人であるミルボン中央研究所の濱野さんに、エクイアルライン開発の裏側や、開発にかけた想いなどをお伺いしてきました。

思っても見なかった研究結果。だからこそできた新しいアプローチ。

いい髪きらめく編集部(以下、編集部):濱野さん、本日は宜しくお願いします。さっそくですが、エクイアルラインについてお話をお伺いさせてください。

濱野さん:宜しくお願いします。

根元の立ち上がりや毛先のまとまりの変化から、髪のシルエットが気になり始める方も多くいらっしゃると思います。実際にAujuaで行った調査でもそういった声が多くあり、そういった方たちのために開発されたのが今回のエクイアルラインです。

編集部:エクイアル開発のきっかけは何だったんですか?

濱野さん:お客さまのシルエット変化に対する基礎研究の結果、根元の髪の内部にはタンパク質の密度の二重構造が存在していて、この二重構造が崩れてしまうことによって、根元の立ち上がりが弱くなったり、倒れ始めたりしてしまうということがわかりました。この研究こそがエクイアル開発のきっかけでした。
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ただ、この研究結果自体が思ってもみないものだったので、どう開発を進めればいいのか、最初は非常に悩みました。そもそもこの基礎研究の結果はケアできるものなの?という議論から開発がスタートしたくらいです。

今振り返ってもとても難しい開発でしたが、従来「根元のボリュームケア」というと、デイリーケアによって長期的に美しい髪が生えるような地肌環境を整えていく発想や、スプレーなどでのヘアセットによって固めることしかできなかったところに、サロントリートメントによる根元へのケアという今までにないアプローチを皆さまに提供できるようになったので、大変やりがいのある開発だったと思っています。

根元も毛先も同時にケアできる商品へ。

編集部:具体的な開発エピソードがあれば教えて下さい。

濱野さん:根元のタンパク質の密度の二重構造をケアする、という発想が本当に新しいもので、難易度も非常に高かったので、開発の当初はどうしてもその解明と解決に集中しすぎてしまっていました。

中間〜毛先のケアや、地肌環境のケアは従来から取り組んでいたため、中間〜毛先へタンパク質を浸透させる考え方や技術は既にあったんです。

それでも、ダメージがなくキューティクルがよく残っている根元の新生部の髪に成分を浸透させること、内側と外側でタンパク質の密度差をつけなければならないことなど未解決の課題も多く残っていました。

ただ、なんとか開発を進めて、これで根元の二重構造にアプローチできた!とプロトタイプの商品を美容師さんにお見せした時に、「サロンメニューとして提供するなら、根元から毛先までケアできないと現場では使えませんよ」と一言。
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編集部:使えない??

濱野さん:根元だけのサロンケア、ではなくて毛先まで含めた全体のシルエットのケアを一つの商品でできるようにしないといけないというのは、実際に使われるお客さまの声を代弁してくださったんだと思います。

それでも、根元と毛先では、髪の状態が全く異なるので、これにはとても困りました。根元の二重構造にアプローチするだけでもあれだけ苦労したのに、同時に毛先もケアするにはどうしたらいいの..と。

ただ、あの時の美容師さんのアドバイスのおかげで、浸透補助成分として配合したポリフェノールを根元と毛先で使い分けるという技術の開発にも成功して、今のエクイアルを完成させることができました。

モニターさんからいただいた驚きの声

編集部:本当に難しい開発だったんですね..。でも濱野さん始め開発のみなさんのこういった努力があって、エクイアルができあがったんですね。

濱野さん:そうですね。どんな商品も開発は難しいですし、想いを込めて開発していますが、今回のエクイアルラインに関しては、完成したときの達成感がとても大きかったです。

また、Aujuaでは販売開始の前に、サロンさまだけではなく、一般の方々にも商品のモニタリングをしていただいています。

正直な所、どれくらいの変化を実感していただけるかはとても不安でした。エクイアルで謳っている根元の立ち上がりやふんわり感というのは、ほんの数mmの変化なんです。

スプレーで固めた時のようなドン!という変化はもちろんありません。むしろ開発の際はその繊細な変化を実現できるようにこだわったのですが、実感していただけなければどうしようもないですし。

編集部:繊細にこだわったからこその不安、ということですね。

濱野さん:でも、モニタリング期間を終えて報告にお越しいただいたモニターの方々は、変化を実感してくださった方が多く、とても嬉しかったです。あるモニターさんは、研究所に到着するなり被られていた帽子をとって、「すごいよ、ほら!帽子被ってたのにこんなにふんわり!」っていう報告をしてくださって。

もちろんモニターの方に喜んでもらえたことも嬉しかったです。それに、なにより日本人女性の髪に対する感性は本当に繊細で素晴らしいものなんだと改めて実感させられました。

日本人女性だからこその繊細な感覚、特に根元のふんわり感などは数字にすると本当に微々たる差ですが、これを変化として感じていただける。こういう差を追求していかなきゃいけない、と。

効果を実感してもらうためにちょうどいいバランスを探し、そういう差から生じる感覚的な違いや美しさにこそ、Aujuaとしてこだわっていきたいと強く感じる瞬間でした。

Aujuaとして「今までになかったもの」を作り続けたい

milbon_04編集部:繊細な感性に対する繊細なアプローチ。とても素敵なコンセプトですね。濱野さんは、開発という立場から、今後Aujuaというブランドをどうしていきたいですか?

濱野さん:いろいろお話させていただいた通り、今回の商品づくり自体はとても大変でした。どこからアプローチするのか?という点で、最初の3~4ヶ月は開発メンバーの中でも方向性が定まらなかったり、根元で決めても、根元だけじゃなく毛先も、となったり。

でも諦めずにこだわって開発し続ける、というのが非常に大切でした。楽な方法に妥協せず、二重構造にしっかりアプローチをできたからこそ、いい商品になったと思っています。

日本人女性の美しい髪はしなやかな弾力だ、とわかっていてもその仕組みはまだ全て解明されているわけではありません。当然、今回の「根元と毛先の二重構造を同時にケアする商品」というのも、発想すら存在していなかったからこそハードルが高いけれども、新しい価値を提供できるラインになったと思います。

今回のエクイアルのように難しい開発が今後も続いていくと思いますが、日本人女性の繊細な感覚にアプローチし、今までにないものをつくっていくからこそ、Aujuaが取り組むべきだと思っています。

Writer aujua