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毛髪の特性、美容習慣、気候などを配慮し、日本女性特有の髪の悩みを解決するために誕生したオージュア。

本日は普段なかなか触れることのない、オージュア商品の開発を支える女性研究者の方にお話をお伺いしてきました。

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株式会社ミルボン開発本部でマネージャーを務める谷川さん

日本人女性ならではの様々な生活環境を踏まえた上で、日本人女性の髪を美しくしたい

いい髪きらめく編集部(以下、編集部):谷川さん、本日はよろしくお願いします。さっそくですが、谷川さんは普段どのように働かれているのでしょうか?

谷川さん:こちらこそよろしくお願いします。ミルボンでは、美容室専売のヘアケア商品を作っています。基本的に当社から直接お客さまに販売するということはしていなくて、美容師さんが使われるか、美容室さんを通じて、皆さまにお買い求めいただく形をとっています。

私はこういったミルボン商品の中でも、「オージュア」ブランド商品の研究開発に携わっています。

編集部:「オージュア」は、どういったブランドなんですか?

谷川さん:日本人女性の髪の毛を美しくしようとしたときに、ただ日本人女性の「髪」を見て、研究するだけでは足りないという考えに至ったんです。美容習慣や四季の変化など、日本人女性ならではの様々な生活環境を踏まえた上で、日本人女性の髪を美しくしていこう、というコンセプトで作られたのが、オージュアです。

日本人女性は清潔に対する意識が非常に高く、毎日洗髪される方が多いんです。それに、何ヶ月かに1回は定期的にカラーやパーマをかけて、好きなスタイルを楽しまれます。

四季によって、温度や湿度が移り変わるなど、たくさんの環境要因があり、たくさんの悩みの種類があります。

こうした一人ひとり違う髪の悩みを解決するため、美容師さんと一緒に、「システムヘアケアプログラム」という仕組みを作っているのがオージュアの特徴です。カウンセリングから毛髪診断、サロンケア、ホームケアと、一連のサイクルを通じて日本人女性の髪を美しくするお手伝いをしています。
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商品の効果は必ず自分の髪で試すようにしています。

編集部:美容師さんと共同で商品を開発するにあたっての難しさはありましたか?
谷川さん:研究だけでは到底気づかないような、ちょっとした髪の状態変化を、美容師の方々はご自身の指先で感じ取られています。繊細で感覚的な美容師さんのフィードバックを、研究に落とし込んで、効果の出る商品を作っていくのは、毎回相当の難しさがありますね。

編集部:日々、たくさんの研究をされているかと思いますが、商品開発にあたってのこだわりや想いを聞かせてください。

谷川さん:当然、商品をお客さまにご提供する前に実際に使ってみて、使い心地はどうか、どんな効果があるのかをテストしなければいけません。私たちはこの商品の効果検証を、必ず自分の髪で試すようにしています。やっぱり、自分たちが安心して使えるものをお客さまに使っていただきたいですからね。

「自分と同じ悩みを抱える人たちに応えたい」という想いをもって開発にのぞんでいるメンバーも多くいます。他にも、自分の子供だったり、お母さんだったり、身近な人に使ってもらいたい。ただ仕事だから取り組むというよりも、こういった気持ちを持って開発に取り組んでいることが、商品へのこだわりに繋がっていると思います。

メンバーの髪を根元からジョキジョキと…。

編集部:ありがとうございます。素敵ですね。こだわりに関して、何かエピソードがあればお伺いさせてください。
谷川さん:私が開発に携わった商品の中に、健康で美しい髪が育ちやすい地肌環境をつくる「オーセナム」というシリーズがあります。この商品の開発はとても印象的でしたね。

まず私も含めた女性研究メンバーで、開発段階のオーセナムを3ヶ月間使い続けました。

研究結果に影響がでてしまうので、もちろん調査期間中はカラーリング禁止。みんな「プリン」状態を我慢して、研究に取り組みました。

そして3ヶ月後、今度は実際に、健康で美しい髪が育っているのかを調べなければいけません。なので、メンバーの髪を根元からジョキジョキと…。

編集部:切られたんですか??

谷川さん:はい(笑)正確なデータをとって分析するにはそれなりの量が必要なので、数本単位では足りませんし、女性なので髪も長くて。切る箇所を間違えたら目立ってしまって大変でした(笑)

編集部:大変ですね…。でも、開発段階とはいえ、美容効果の高い商品をいち早く試せるのは特典のひとつかもしれませんね。

谷川さん:それが、そうでもないんです。確かに品質には自信を持っているんですが、調査期間中は、少し変わった使い方をしなければいけないんです。

例えば、先ほどのオーセナムでは、「同じ人の、同じタイミングの髪が、商品を使うことによってどう変わったのか」を正確に調べる必要があります。商品を使った人と使ってない人を比べて、検査結果に差が出たとしても、それが商品によるものなのか特定できないからです。食べ物や睡眠時間など他の影響が出てしまっているだけかもしれないので。

なので全員、頭の右側半分だけにオーセナムを使って3ヶ月過ごしたんです(笑)当然、3ヶ月後、ジョキジョキと切ったのも左右両方。

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オージュアソムリエの方々の協力なしには、オージュアは成り立ちません。

編集部:商品の裏側には、たくさんの苦労が詰まってるんですね…。

谷川さん:そうなんです。でも、大変なのは私たちだけではないんですよ。

オージュアが、ミルボンの他のヘアケアブランドと大きく違うのは、限られた美容室でしか扱えない、という点にあります。ただ商品をご案内するだけではなく、お客さまのお悩みに最適な商品を、最適な使い方で提供できてはじめてオージュアブランドを扱っていただけるんです。

そのための技術力や、カウンセリングの知識などの講習を受け、試験を通過してはじめて、「オージュアソムリエ」としてオージュア商品を扱う資格を得ることができます。こういったオージュアソムリエの方々の協力なしには、オージュアは成り立ちません。

編集部:オージュアソムリエの方々にはどういう協力をしていただいているんですか?

谷川さん:オージュアソムリエの方々がいらっしゃる美容室に、直接私たちが定期的にお邪魔しています。開発中の商品に対するフィードバックをいただいたり、最近よく耳にされるお客さまのお悩みを共有していただいたり。本当に、オージュアソムリエさんたちと二人三脚で新しい商品の開発をしています。

他にも、1年に数回、20代〜60代の女性300名に研究所へ集まっていただき、一人ひとり髪のお悩みをヒアリングしたり、髪の検査をさせていただいたりもしています。

編集部:研究というとずっと実験室に閉じこもって、顕微鏡や試験管とにらめっこされているイメージがありましたが、本当にたくさんのことに携わられているんですね。

最後に、谷川さんのオージュア商品研究にかける想いをお伺いさせてください。

谷川さん:やはり私は、自分の母に使ってもらいたいんです。

女性はいくつになっても美しくありたいと思うもの。そんな母の気持ちに、まっすぐに応えられるような商品を開発し続けることが、お客さまに最高の商品を届けることとイコールだと考えています。

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Writer aujua